コミュニケーションスキル~論理力③~
- かわうち
- 4月28日
- 読了時間: 3分
こんにちは。
ファシリテートGのかわうちです。
前回に引き続き論理的な説明を身に着けるために、というテーマでお伝えします。
前回は論理的な説明ができるようになるための前段階として、「文章を理解する」ためのトレーニング方法を説明しました。今回は「主張に説得力のある理由付け=論証」をする方法についてお伝えします。
■論証とは
論証とは、「ある前提からなんらかの結論を導き出す」ことです。 つまり、「なぜこの結論が成り立つのか」をきちんと理由を示して説明し、単なる主張の「言いっぱなし」ではなく、理由づけがあるのが論証です。
■良い論証とは
良い論証には、次の2つが求められ、両方そろってはじめて、説得力ある論証になります。
・理由が正しい(真実)であること
・理由と結論がきちんと論理的につながっていること
例えば、
「すべての金属は熱をよく伝える」+「この鍋は金属製である」
=「この金属製の鍋は熱をよく伝える」
これは最初の2つが理由(「金属は熱をよく伝える」「この鍋は金属製」)になり、結論と論理的につながっています。
では悪い論証についても見ていきましょう。特徴は良い論証の逆になるのですが、
・理由が間違っている(ウソ、勘違い)
・理由から結論が論理的につながっていない(結論が飛躍している、関係ない)
前者は明らかに納得できますし、事実確認をしっかりして勘違いを防げば避けることができそうです。しかし後者については無自覚に行っている人をよく見かけます。
例えば、「この地域は自転車事故が多いから自転車に乗らない方がいいよ」という意見があったとします。パッと読むと流してしまいそうですが、一度整理してみましょう。
結論:この地域では自転車に乗らない方がいい
理由:この地域は自転車事故が多い
問題点はありそうでしょうか?
この例文を読んで私が気がついた問題点が2点ありました。
①自転車事故は乗る人が原因の可能性もあり、乗る人が注意すれば避けられる可能性もある →自動車運転手のマナーが悪い、道が荒れているなどの環境による事故が多いのであれば自転車に乗らない方がいいかもしれませんが、今回の情報だけでは判断できない→論理が飛躍している
②自転車に乗ることのメリットについて触れていない →早く移動できる、運動になるなどのメリットもあるはずなのに、デメリットだけを見て結論を出している。 →根拠が弱い(偏ったものの見方をしている)
今回は論証における基礎について説明しました。次回はこの論証をもう少し深堀していきたいと思います。
最後に今回のおさらいとして問題を1題出しますので、次の文章が論理的につながっているのか、問題点がある場合は何か、考えてみてください。
Y大学の卒業生はどこの会社に行っても活躍している。
だから、Y大学はすばらしい大学だ。
Comments