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まつ

デリバリー・パフォーマンス領域

こんにちは、ファシリテートGのまつです。

先月アーキテクトGからファシリテートGへと異動しました。

今後はファシリテートGの一員としてプロジェクト管理に関するお話をさせていただきたいと思います。


今回は、PMBOK第7版の「デリバリー・パフォーマンス領域」についてお話します。

まずこの「デリバリー・パフォーマンス領域」で期待されている効果は次の5つとされています。


期待される効果

 1. プロジェクトは、事業目標と戦略の推進に貢献する

 2. プロジェクトは、その立上げの目的である成果を実現する

 3. プロジェクトのベネフィットは、計画された期間内に実現される

 4. プロジェクト・チームは要求事項を明確に理解している

 5. ステークホルダーは、プロジェクトの成果物を受け入れ満足している


プロジェクトのオーナーをはじめとした顧客は、これらの期待を込めて企業や組織に必要な投資を行っています。そのためプロジェクトの関係者はこのことを念頭にプロジェクトを推進していく必要があるわけです。

海外のシステム開発の有名な風刺で、ブランコが欲しいという顧客の要求に対して様々な立場から見たブランコの完成図はみごとにバラバラで顧客の意図したものと異なってしまうというお話があります。

参考情報:Tree Swing Cartoons – BusinessBalls.com(英語サイト)


そんな訳ないと思う人もいらっしゃるかもですが、システム業界的にはあるあるな話なのです。

では、期待される効果を実現するためにはどうすればいいのか?私は 大きく3つのポイントがあると考えました。


① 顧客要求の把握と課題設定:

まずはこれがないと何も始まらないと思います。

顧客要求を把握し、解決すべき課題を決め、スコープを設定します。

顧客要求を引き出して把握することは決して容易ではありませんので、プロトタイプやモックなど活用するなどの工夫が必要になります。

そして可能な限り顧客の言葉に合わせて取りまとめます。

顧客要求が把握できれば、課題を解決するための手段が検討され、具体的なタスクへと落とし込んでいくことが可能となります。

それと同時に、課題達成のために管理するもの(成果物やスケジュールなど)が明確になっていきます。


② 課題解決に向けた具体的な目標や数値設定:

具体的なタスクに落とし込んでいく上で、実現する要求事項を具体化することは欠かせません。

具体化をするということは、数値など客観的にもわかりやすいもので要求事項を表現しなおす必要があります。

ここは後続の設計工程などのインプットにもなるため、しっかりと把握しておくことが重要です。

また設計工程などのインプットになることを考慮すると、これまで顧客の言葉に合わせていた表現を、技術的な表現に見直すということも同時に行う必要があります。


③ 成果物管理と品質管理:

プロジェクトが進行するにつれて、成果物の管理と品質管理が重要となります。

そのため成果物の進捗状況を管理し、品質を維持するための手段を構築することが必要となるわけですが、ここで活躍するツールがみなさんもご存知な”WBS”です。

WBSは、タスクとスケジュールの管理だけでなく、成果物管理の側面もあります。

さらに前述の①、②で述べた顧客要求と技術的表現を関連付けて、顧客側でも理解できるようにするコミュニケーションツールの役割を担います。

品質基準を満たすために、定期的な品質検査やフィードバックの仕組みを設けることも重要ですので、しっかりと顧客も巻き込んで仕組みを検討し、それをWBSへと取り込めば可視化と管理の両方を実現することができます。


さいごに:

これまでのシステム開発プロジェクト経験からも、言った/言わない問題など日常茶飯事でしたが、文字だけでなく図や絵など具体的な表現に落とし込んで顧客とコミュニケーションを取ることで大分認識の齟齬などは防げたと思います。

視覚化し、共通認識を持つということがコミュニケーションを円滑にする重要な要素であることを身をもって体験しました。

今はノーコードで簡単にアプリ開発などもできる時代になってきたので、そういったツールも活用しながら顧客に寄り添ってプロジェクトを推進していきたいと感じました。



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