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  • 執筆者の写真かわうち

プロジェクトマネジメント:測定パフォーマンス領域

ファシリテートGの「かわうち」です。

今回はPMBOKの活動領域の中の測定パフォーマンス領域についてお話します。


概要

PMBOKにおける測定の目的は"プロジェクトのパフォーマンスを評価し、受入れ可能なパフォーマンスを維持するための適切な行動をとることに関連する活動と機能に対応すること"だとされています。

言い換えると、


・計画パフォーマンス領域で設定した管理基準や評価基準を

・デリバリー・パフォーマンス領域でどの程度達成できたのか


を測定し、現状と期待との差異に対処し、正しい意思決定をしていくということです。


期待される効果

測定パフォーマンスを効果的に実行することは、以下の成果が期待できます。


・プロジェクトのステータスについて信頼性の高い理解

・意思決定を容易にする実用的なデータ

・プロジェクトを軌道に乗せる、タイムリーで適切なアクション

・上記による事業価値の創出


 

効果的な尺度の確立

測定するためには当然、評価するための基準や標準(=尺度)が必要になりますが、測定を行うことにも工数がかかるため、効率的な測定が望まれます。PMBOKでは効率的な測定を行うための要素として、5つの用語の頭文字を取り、「SMART」を上げています。


pecific(具体的)

eaningful(有意義)

chievable(達成可能)

elevant(関連性)

imely(適時)


測定の対象

測定の対象はプロジェクト特性により変わりますが、PMBOK第7版では例として以下の項目を挙げています。

  1. 成果物のメトリックス

  2. デリバリー

  3. ベースラインのパフォーマンス

  4. 資源

  5. 事業価値

  6. ステークホルダー

  7. 予測


1.成果物のメトリックス

成果物のメトリックスとは、成果物をどのように評価・測定するのかを予め計画しすることで、その資料に照らし合わせてパフォーマンスを測定することになります。主な要素は以下の通りです。

・エラーや欠陥についての情報

・パフォーマンスの尺度

・技術的なパフォーマンス尺度


なお、”パフォーマンスの尺度”は測定対象の大きさや重量、信頼性など、物理的・機能的属性を意味しています。”技術的なパフォーマンス尺度”は要求事項を満たしている度合いを示しています。


2.デリバリー

デリバリーの尺度は進行中の作業に関連した項目で、適応型プロジェクトなどでよく使われ、仕掛中のタスクがどの程度あるのか、チームが1つのタスクを完了するまでにどの程度の時間がかかるのか等を測定します。


3.ベースラインのパフォーマンス

ベースラインとは、成果物の実績値と比較するための基準であり、多くのプロジェクトでは主にスケジュールとコストが以下の要素で測定されます。

スケジュール

・開始日と終了日

・作業工数と所要時間

・スケジュール差異

コスト

・実コスト

・コスト差異


4.資源

資源は管理すべき資源の種類と数量で測定します。ただし人であれ物であれ、最終的には金額で表すことになるため、「3.ベースラインのパフォーマンス」のコストの中に包含されることが多いです。


5.事業価値

プロジェクトの成功とはプロジェクトで得ようとしていた事業価値が実現できるかどうかです。事業価値には財務的な側面と非財務的な側面がありますが、代表的なものの内の1つが投資対効果(コストと比較した経済的利益の尺度)で、私たちの生活に近いところで言うコスパです。


6.ステークホルダー

プロジェクトにはステークホルダーの協力が不可欠であり、その立場も様々です。

例えば顧客であれば、プロダクトやサービスをどれだけ他者に推奨するかというアンケートで満足度やロイヤリティを図る手法があります。またプロジェクトメンバーに対する士気のアンケートも潜在的な課題や改善すべき事項がないか確認する重要な要素になります。


7.予測

プロジェクトの成功においては、将来起こり得ることを予測し、必要に応じて計画と作業を調整するべきか検討するなどの対応策が肝心になります。例えば過去の実績をもとにプロジェクトの残作業を終了するのにかかる工数やコストを算出するといったような経験は皆さんもあるのではないでしょうか。


 

情報の提示

収集した情報はステークホルダーに提示することが重要です。手法としてはダッシュボードやタスクボードなど様々な方法がありますが、プロジェクトの特性に合わせて取り入れることが重要です。

例えば今まで私が参画してきたプロジェクトはWBSによる進捗の測定が多かったのですが、あるプロジェクトではタスクの大部分が外部起因で発生していたため、予めWBSを作成して進捗を測定することが難しく、タスクボードを使用していました。それまではWBSによる進捗の測定が普通だと思っていましたが、そのプロジェクトでタスクボードの有用性を感じ、プロジェクト特性に合わせることの重要性を知りました。


測定する上での注意点

これまで測定することの利点やポイントについて記載してきましたが、測定する上で注意すべき点がいくつかありますのでお伝えしておきます。


・意思決定に寄与しない測定

・達成不可能な尺度による士気喪失

・相関関係と因果関係の混同


 

おわりに

お伝えしてきた通り、測定は上手く行えばプロジェクトにおける意思決定に役立ちます。その一方で、測定には工数もかかるので、実施することにネガティブな意見が出ることも少なくありません。

プロジェクトに取り入れる上では、ステークホルダーに測定することの意義を伝え、また工数がかからない測定方法に努めることが理解を得るために重要だと思っています。



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