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AWS Glue: 誰でもわかるデータ統合サービス

  • やま
  • 3月17日
  • 読了時間: 6分

こんにちは「やま」です。


現在、仕事で携わっているAWS Glueのサービスについて概要レベルでご紹介します。

AWS Glueは、異なるデータソース(S3、RDS、Redshiftなど)からデータを取得し、変換・統合してデータウェアハウスやデータレイクに保存するサービスです。


データの統合や変換を行う際、従来の方法では多くの手間や時間がかかることがありました。AWS Glueは、そんな課題を解決するために登場したフルマネージド型のETL(抽出・変換・ロード)サービスです。本記事では、AWS Glueの基本から利用シーン、競合製品との違い、導入に必要な知識など簡単にご説明します。


本記事の想定読者

  • AWS Glueを初めて触る人や導入を検討している、AWS初心者のエンジニア向け


 

AWS Glueとは?

AWS Glueは、データを収集・変換・ロードするプロセスを自動化し、データ統合を効率化するサービスです。ノーコード・ローコードでETLジョブを作成でき、データパイプラインの開発時間を大幅に短縮できます。また、サーバーレスで動作するため、インフラ管理の手間も不要です。


 

AWS Glueの活用シーン

AWS Glueは以下のような場面で特に有効です。

活用シーン

説明

データウェアハウスの統合

Amazon RedshiftやS3に格納されたデータを変換・統合

データレイクの管理

異なるデータソースからのデータ収集・整理

機械学習の前処理

データクレンジングや特徴量エンジニアリング

リアルタイム分析

ストリーミングデータのETL処理

※データレイクとは、あらゆる形式の生データをそのまま大量に蓄積できるストレージシステム


 

AWS Glueの効率化

AWS Glueを活用した場合と活用しない場合の違い


AWS Glueを活用する

AWS Glueを活用しない

管理性

サーバーレスで管理不要

サーバ必須のためインフラ管理が必要

開発速度

ノーコード・ローコードで開発可能

コーディングが必要。

統合性

AWSの他サービスと統合

手動で統合が必要


AWS Glue が効率化に繋がる理由

効率化ポイント

AWS Glueでの具体例

手作業の排除

GUIでジョブ作成 or PySparkでETL処理をコード化、一度作れば繰り返し自動実行可能。

エラー防止

AWS Glue Data Catalogでメタデータ管理ができ、フォーマットやスキーマのブレ防止。

スケジュール実行

CloudWatchと連携し、ジョブの定期実行・イベントトリガー設定が可能。

複数システムの連携

S3, RDS, Redshift, DynamoDB, SaaSなどAWS内外のデータソースと連携対応。

スケーラビリティ

サーバーレスなのでデータ量が増えても自動でリソース確保。インフラ管理不要。


ただし、AWS Glueは「小規模」「単発」の場合は過剰になるケースがあります。

例えば、データ量が非常に少ない場合は、LambdaやAthenaで簡単に済むことがあり、AWS Glueの起動コストが割高になってしまうことや、一時的なデータ変換だけの場合は、 AWS Glue環境のセットアップやジョブ定義に工数がかかり、CLIやSQLの方が早い場合もあります。

効率化を求める場合は、下記に記載しているETLツールも含めて導入検討しましょう!!


 

AWS Glueの導入に必要なもの

AWS Glueを利用するには、以下の知識があるとスムーズに導入できます。

必要なスキル

理由

SQL

データ変換やクエリの記述

Python

AWS Glueのスクリプト開発(PySpark)

AWSサービスの基礎知識

S3, Redshift, Athenaなどの理解


 

AWS Glueの設定方法

AWS Glueを利用するには、以下のステップが必要です。

  1. データカタログの作成: データのメタ情報を登録

  2. ETLジョブの作成: ノーコードまたはPySparkでデータ変換を設定

  3. ジョブのスケジューリング: 定期実行やトリガーの設定

  4. ジョブの実行と監視: ログやメトリクスを活用してパフォーマンスを最適化


 

他のフルマネージド型のETLツール

他にもETLツールがあるのでAWS Glueとその主要なETLツールの特徴・利用ケース、メリット・デメリットの観点で比較しました。


ETLツール

特徴

利用ケース

メリット

デメリット

AWS Glue

フルマネージドETLサービス。サーバーレスでスケーラブル、Python (PySpark) ベースで開発可能。

AWS中心の環境で、運用負荷を抑えたい AWSサービスと強力連携。

AWSサービスとの連携が強力。カタログ機能でデータ管理も容易。サーバーレスで運用負荷が少ない。

AWS依存が強い。他クラウドとの連携は難しい。複雑なジョブはチューニングが必要。

Google Cloud Dataflow

Apache BeamベースのフルマネージドETL/ELT。バッチ・ストリーミング両対応。

GCP環境でストリーミングとバッチを統一

GCPサービスと統合が強く、スケーラビリティ抜群。ストリーミング・バッチが同一モデルで扱える。

Apache Beamの学習コストが高い。GCP依存。

Azure Data Factory

GUI中心でノーコードETL/ELT開発が可能。オンプレ・クラウドどちらにも対応。

ノーコードで直感的にパイプライン構築可能

直感的な操作感。Microsoft製品との親和性が高い。ハイブリッド環境にも強み。 GUI操作で初心者にも扱いやすい。

カスタマイズ性に制限があり、大規模処理ではコスト最適化が課題。

Databricks

Apache Sparkベースの統合分析プラットフォーム。ノートブック環境でデータ分析からMLまで一気通貫。

大規模データ分析・ML活用を重視

大規模データ処理に強く、ML/AIとの連携がスムーズ。マルチクラウド対応。

導入コストが高め。Sparkや環境周りの知識が必要。学習コストが若干高い。

Talend Cloud

GUIベースのETL/ELTツール。データ品質・ガバナンス機能も充実。クラウド・オンプレ両対応。

ノーコードで直感的にパイプライン構築可能

ノーコードで操作しやすい。多様なコネクタが利用可能。データ品質管理が優秀。 GUI操作で初心者にも扱いやすい。

商用版の費用がやや高め。カスタマイズ性に制限がある。

Apache Airflow

オープンソースのワークフローオーケストレーションツール。DAGで柔軟にETLタスクを制御可能。

複雑なワークフローや複数ツールの統合を管理

柔軟なジョブ設計が可能。スケジュール管理・依存関係の表現力が高い。クラウド・オンプレ両対応。

ETLそのものの処理は別ツールが必要。セットアップ・運用コストが高め。学習コストがやや高い。

AWS Glueは、AWS環境でETL処理をする場合に最適な選択肢ですが、リアルタイム処理や他のクラウド環境では競合製品のほうが適している場合があります。

例えば、リアルタイム処理が必要なら Google Cloud Dataflow、ワークフローの柔軟性を求めるなら Apache Airflow、GUIベースでのETL開発を重視するなら Talend などが候補になります。


 

まとめ

AWS Glueは、データ統合を効率化する強力なサービスです。特に、データレイクやデータウェアハウスの統合、機械学習の前処理などで大きなメリットを発揮します。一方で、用途によっては他のサービスの方が適している場合もあります。

本記事は、AWS Glueの説明しており、AWS Glueを推しているのかどうなのか突っ込みどころがありますが、業務のニーズに応じて、最適なツールを選択しましょう。



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