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プロジェクトマネジメント:チーム・パフォーマンス

  • 執筆者の写真: かわうち
    かわうち
  • 2023年12月10日
  • 読了時間: 4分

ファシリテートGの「かわうち」です。今回はPIMBOKの活動領域の中の「チーム・パフォーマンス」領域についてお話します。

プロジェクトを進めるにあたり一人だけで行うことはほとんどなく、多くの方が大なり小なりチームを組んでいると思います。PIMBOKではチームのパフォーマンスを高めるポイントとして、①チームのあるべき姿、②リーダーシップを挙げています。今回は①、②において意識するべきことをお伝えしたいと思います。


①チームのあるべき姿とは?

(1)ビジョンの確立

チームが大きくなると、自分の周りのことだけに目がいきやすくなり、チームとしてのパフォーマンスが下がる可能性があります。それを防ぐためにはプロジェクトの目的が何なのかをメンバー全員が理解し、プロジェクトの推進を第一として業務にあたる必要があります。


(2)役割と責任

各メンバーの役割と責任を明確にすることで、タスクの分担を迷いなく行うことができます。ただし役割と責任だけを決めてしまうと、いわゆる縦割りの組織になり、チームとしてのパフォーマンスが低下する恐れがあります。そのためには各メンバーが互いの役割と責任、タスクを理解し、協業する文化が必要であり、その上で役割と責任が決めることがパフォーマンスの高いチーム作りに繋がります。


(3)業務の可視化

(2)役割と責任の中で互いを理解し協業することが重要だと述べましたが、これを実現するために必要なのが業務の可視化です。ここで述べた可視化とは必ずしも「文章化」である必要はありません。もちろん文章化をしている組織は多いとは思いますが、時には「絵」や「イラスト」の方がわかりやすい場合もあるでしょう。


(4)ガイダンス

各メンバーの自主性は優れたチームを作る上で重要です。ただしそれを大切にしすぎると、往々にして自由気ままに行動する人が出てきてしまい、品質の低下に繋がります。それを防ぐためには、作業のガイダンスを定める必要があります。例えばイレギュラー時の判断などがあたります。「○○の場合はメンバーで判断して問題ないが、××の場合はチーム内で判断が必要」などのガイダンスを決めておくことで、手戻りを減らすことができます。


(5)成長

個人の成長はチームの成長に繋がるので、チームにとっても重要です。成長にはいくつかありますが、その内の1つが過去の教訓を活かすことです。個人のものでもチームのものでも教訓を管理、共有し、チーム全体の成長に繋げることが重要です。


②求められるリーダーシップとは?

(1)ビジョンの確立と維持

①チームのあるべき姿でビジョンの確立が重要ということはお伝えしましたが、リーダーシップを発揮する上ではビジョンをメンバーに浸透させ、維持する必要があります。そのためには力強いフレーズや端的な言葉で表現し、メンバーが触れやすい所に記載する必要があります。もしくは定例会の中で伝えるのもいいかもしれません。


(2)クリティカル・シンキング

ものごとを判断するには客観的で論理的な分析が必要です。もちろん組織によっては分析した結果を必ずしもそのまま受け入れるのではなく、組織の文化に合わせた形で取り入れえることもあるでしょう。気を付けなければいけないのは、初めから後者を分析の基準にはしないということです。組織に長くいると組織の考えを基準にしてしまいがちですが、それは必ずしも(客観的に見て)正しい結果に繋がるとは限りません。まずは基準として客観的で論理的な分析を保つことが重要です。


(3)動機付け

チームのパフォーマンスを上げる方法の1つには、各メンバーのパフォーマンスを上げることがあります。パフォーマンスは働く動機と大きく関わるため、各メンバーがどのような動機で働いているのか理解し、働きかけることが大切です。例えば、達成感を求める人には困難なタスクを任せてやる気を出してもらうのもいいでしょうし、親和を求める人にはチームの一員としてこまめなコミュニケーションを取るのもいいでしょう。


(4)人間関係のスキル

(3)動機付けと近い部分もありますが、チームの活動を円滑に進めるためには各メンバーの理解が重要です。そのためのスキルとしてPMBOKでは㋐感情的知性、㋑コンフリクト・マネジメントなどを挙げています。㋐感情的知性は自分が他者からどう思われているのかを正しく理解すること、相手がどのように感じているかを読み取るスキルです。㋑コンフリクト(対立)・マネジメントは意見が対立した際に人間関係を壊さない(壊れてしまった場合も修復できる)スキルです。スキルとしては人によっては身に着けることが難しく、また身に着けてもらうための伝え方も難しいものだと思いますが、必要なのは相手の尊重です。相手を否定しない、理解しようと努めることの積み重ねで、人間関係のスキルは磨かれていくものだと思います。


まとめ

大きくチームの目的と個人の役割の明確化、他者理解の2つが重要だったかと思いますが、皆さんがご自身のことを振り返った時に課題になりそうなのはどちらでしょうか?また参考になった項目はありましたでしょうか?

私は個人的にチームの目的と個人の役割の明確化の方が課題だと思いましたので、今後の業務の中で意識していきたいと思います。

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