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コミュニケーションスキル~論理力②~

  • 執筆者の写真: かわうち
    かわうち
  • 3月10日
  • 読了時間: 4分

更新日:4月28日

こんにちは。

ファシリテートGのかわうちです。


前回に引き続き論理的な説明を身に着けるために、というテーマでお伝えします。

今回は論理的な説明ができるようになるための前段階として、「文章を理解する」ためのトレーニング方法についてお伝えします。

■接続表現に注意する

普段私たちが何かを伝える時に短文で完結することはほとんどありません。

何かを相手に説明すると「それで?」や「どういうこと?」といった反応が返ってくる。「どういうこと?」と問われて「つまり」と応じ、具体的に説明しようとすると「たとえば」と応じる。「それから?」⇒「そして」、「どうして?」⇒「なぜなら」と続ける

あるいは、相手が思っているもとは違う方向に話を転換させようと思ったならば、「しかし」と切り出す。

文章を理解することは、こうした問いと応答の流れを読むこと、その対話の構造をつかむことです。そのリズムが送り手を受け手で共有されたとき、分かりやすい文章が生まれます。

そのため、自分で論理的な文章を書こうとする場合、まずは自覚的に接続表現を用いるようにすることが重要となりますし、そしてまた、論理的な文章を読み解くときにも、そこで用いられている接続表現に注意して読むことが重要です。


主な接続表現の役割は7つあります

・付加

・理由

・例示

・転換

・解説

・帰結

・補足


まずはどのような接続表現があり、どのような働きだったかを整理するため、下記の例題を解いてみてください。

------------------------------------------------------------

次の①~⑦をこの順で、[ ]内に示された接続表現を各1回ずつ用いて、一連の文章をまとめよ。ただし、内容を変えない程度に文は適当に変更してよい。


[しかし、すなわち、そして、だから、ただし、たとえば、なぜなら]


①論理トレーニングで大事なのは論理的な文章を数多く読むこと。

②さまざまな接続表現に注意することである。

③論理とは言葉と言葉の関係にほかならないが、それを明示するのが接続表現である。

④「しかし」という接続詞は多くの場合「転換」を示している。

⑤「しかし」の前後で主張の方向が変化している可能性が高い。

⑥議論の方向を見失わないためには、「しかし」という接続詞に注意することが必要となる。

⑦ときに接続表現は省略されるので、その場合には自分でそれを補って読まなければならない。

------------------------------------------------------------

「論理トレーニング101題」より引用


まずは[ ]内に示された接続表現が[付加、理由、例示、転換、解説、帰結、補足]のどれにあたるのか整理し、取り組んでみてください。


回答と解説は後日追記しますので、まずは自力で取り組んでみてください。


追記

回答と解説です。

①と②の関係

①では「論理的な文章を読みましょう」、②では「接続表現に注意しましょう」とあり、独立した論点が並記されています。このような関係を「主張の付加」と言います。

②と③の関係

③では「論理を明示するのが接続表現」とあり、②の「接続表現に注意しましょう」に対する「なぜ?」という疑問への答えになっているため、③は②の理由になります。

④~⑥

④~⑥は全て「しかし」という転換の接続詞の具体例を例示しているに過ぎず、④~⑥はひとまとまりだと考えられます。 では④~⑥の中も見てみましょう。

④と⑤の関係

④では「『しかし』は転換」と端的に述べている。これだけでは説明が足りず、「どういうこと?」と問いたくなる。これに対して⑤で「主張の方向を変化させること」だと解説している。

(④~⑤)と⑥の関係

⑥は④と⑤から導き出される結論になっている。「『しかし』は転換を示しており主張の方向が変化する」ため「議論の方向を見失わないためには『しかし』に注意」というわけだ。このような接続関係を帰結という。


⑦の役割

⑦の「ときには自分で接続表現を補わなければならない」はこれまでの主張を補っているものであり、直接的には結びつかない。このような接続関係を補足という。


上記の各文の関係を踏まえて回答を記載すると、


①論理トレーニングで大事なのは論理的な文章を数多く読むこと。

そして [付加]

②さまざまな接続表現に注意することである。

なぜなら [理由]

③論理とは言葉と言葉の関係にほかならないが、それを明示するのが接続表現である。

たとえば [例示]

④「しかし」という接続詞は多くの場合「転換」を示している。

すなわち [解説]

⑤「しかし」の前後で主張の方向が変化している可能性が高い。

だから [帰結]

⑥議論の方向を見失わないためには、「しかし」という接続詞に注意することが必要となる。

ただし [補足]

⑦ときに接続表現は省略されるので、その場合には自分でそれを補って読まなければならない。


になります。

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