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AIツールとRPA、どちらを使うべきか?

  • 執筆者の写真: なゆ
    なゆ
  • 1 日前
  • 読了時間: 6分

アーキテクトGの「なゆ」です。


昨今AI導入を推進する企業が多くなりましたが、RPA導入でも十分に活躍できるのではと考える場面があります。

そのため今回はAIツールとRPAの違いについてお話したいと思います。


はじめに

「AIを導入すれば業務が自動化できる」「RPAを入れれば効率化できる」──この2つのメッセージを同時に耳にし、どちらを選べばいいのか迷っている企業は少なくありません。AIツールとRPA(Robotic Process Automation)は、どちらも「業務の効率化・自動化」を目的とした技術ですが、その特性はまったく異なります。


誤った選択をすると、「高いコストをかけたのに思ったほど効果が出なかった」という結果を招きます。本記事では、ITコンサルタントの視点から、AIツールとRPAそれぞれの特性を整理し、業務の特性に応じた「最適な選択の判断軸」をご提供します。


AIとRPAは「競合する技術」ではなく「役割が異なる技術」です。 正しく使い分けることで、自動化の効果を最大化できます。


AIツールとRPAの根本的な違い

まず両者の本質的な違いを理解することが重要です。


AIツールとは

AIツール(生成AI・機械学習ベースのツール)は、「判断」「理解」「生成」を得意とします。ChatGPTやClaude、Microsoft Copilotなどがその代表例です。文章の要約・作成、データの意味の解釈、複雑な質問への回答など、人間の知的作業を支援します。曖昧な入力にも対応でき、文脈を読み取りながら柔軟に処理できるのが最大の強みです。


RPAとは

RPA(UiPath・Power Automate等)は、「手順の再現」を得意とします。人間がパソコン上で行う操作(クリック・入力・コピー&ペースト)を記録し、そのまま忠実に繰り返します。ルールが明確で定型的な作業を、高速・高精度に大量処理できるのが強みです。一方で、ルール外の例外が発生すると処理が止まるという弱点もあります。



違いを基にどのようが業務や処理に向いているか一覧表にしたものがこちらです。


AIツール vs RPA 特性比較

観点

AIツール

RPA

得意な業務

非定型・判断が必要な業務

定型・ルールが明確な業務

主な技術

機械学習・自然言語処理

UI操作の記録・再生

プログラミング

基本不要(プロンプト操作)

基本不要(GUI設定)

処理スピード

問いかけへの回答は即時

24時間・大量処理が得意

例外対応

柔軟に対応できる

例外に弱く事前定義が必要

精度

確率的

高精度

導入コスト

比較的低い(SaaSが多い)

中〜高(設計・保守が必要)

向いている部署

営業・企画・人事・経営企画

経理・総務・データ管理


次に比較した一覧からAIツールを使うべき業務、RPAを使うべき業務をお話します。


AIツールを使うべき業務

-- 「判断」「理解」「創造」が求められる業務


以下のような業務は、AIツールが大きな効果を発揮します。

#

業務カテゴリ

具体的な活用内容

1

文書作成・編集・要約

提案書・報告書・メール文面の下書き作成、議事録の要約、マニュアルの整理など、文章を生み出したり整理したりする作業はAIの得意分野。ゼロから書く手間を大幅に削減できます。

2

情報収集・調査・分析補助

市場調査レポートの整理、競合情報の要約、大量のテキストデータからのキーワード抽出など、情報を整理・解釈する作業でAIは力を発揮します。

3

顧客対応・FAQへの回答

チャットボットによる問い合わせ対応、FAQの自動回答、顧客メールの分類と初期回答案の作成など、自然言語を扱う業務に適しています。

4

非定型データの読み取り・判断

手書き書類のOCR後の意味解釈、フォーマットがバラバラな書類からの情報抽出、感情分析など、ルールで割り切れない「読み取り・判断」業務に効果的です。

5

アイデア出し・企画支援

新商品のネーミング案、マーケティングコピーのバリエーション生成、企画書のアウトライン作成など、創造的な発散思考を支援します。


AIツールが向いているのは「毎回少し違う」業務です。 曖昧さ・多様性・判断を含む知的作業に強みがあります。




RPAを使うべき業務

-- 「定型」「大量」「繰り返し」の業務


以下のような業務は、RPAが最大の効果を発揮します。

#

業務カテゴリ

具体的な活用内容

1

システム間のデータ転記・連携

基幹システムからExcelへのデータ抽出、ExcelのデータをWebシステムへ入力、複数システム間の在庫・受注データの同期など、決まった手順でデータを移動する作業はRPAの独壇場です。

2

定型帳票・レポートの自動生成

月次売上レポートの自動作成、勤怠データの集計、請求書の自動発行など、毎回同じ手順で同じ形式のアウトプットを生み出す業務に最適です。

3

Webスクレイピング・情報収集

競合他社のWebサイトから価格情報を定期収集、官公庁サイトからの法改正情報の自動取得など、Webページから定期的にデータを収集する作業はRPAが得意です。

4

基幹システムへの大量入力

受注データの一括登録、マスタデータの一斉更新、経費精算データの入力など、同じ操作を大量に繰り返す入力業務は人間よりもはるかに速く・正確にこなせます。

5

定期的なチェック・突合作業

請求書と注文書の金額照合、在庫システムと実地棚卸の差異チェック、二重登録の検出など、ルールに基づいた照合・確認作業に強みがあります。


RPAが向いているのは「毎回まったく同じ」業務です。 ルールが明確で、量が多く、ミスが許されない作業に強みがあります。


AIとRPAの組み合わせが最強

実は、AIとRPAは対立する技術ではなく、組み合わせることで相乗効果を生み出します。

近年はUiPathにもAI機能が搭載されるなど、両技術の融合が進んでいます。


例えば請求書処理では、フォーマットがバラバラな請求書をAIが読み取って情報を構造化し、その後の会計システムへの入力作業をRPAが自動実行するという連携が可能です。AIの「柔軟な判断力」とRPAの「正確な実行力」を掛け合わせることで、エンドツーエンドの自動化が実現します。


AIツール

読み取り・判断・生成

RPA

定型実行・大量処理

完全自動化

End-to-End


どちらを選ぶかの判断ポイント

最終的な選択の判断は、以下の問いに答えることで整理できます。


判断の問い

YES

No

業務のルールは明確か?

RPA

AI

毎回まったく同じ手順か?

RPA

AI

大量・高速処理が必要か?

RPA

AI

文章・画像・音声を扱うか?

AI

RPA

例外・イレギュラーが多いか?

AI

RPA


「どちらか一方を選ばなければならない」と思う必要はありません。業務の流れの中で、AIが得意なパートとRPAが得意なパートを組み合わせる設計が、最も効果的なアプローチです。



おわりに

AIツールとRPAは、業務自動化の「二枚看板」です。正しく使い分け、あるいは組み合わせることで、これまで人手に頼っていた多くの業務を自動化・効率化することができます。

大切なのは「流行っているから」という理由でツールを選ぶのではなく、「自社のどの業務課題を解決したいか」から逆算して技術を選ぶことです。


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