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PMO×コンサルが生む価値 -よいPMOと悪いPMO-

  • まつ
  • 1 日前
  • 読了時間: 4分

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こんにちは、まつです。 書籍やX(旧Twitter)、Youtubeなどの各種SNSで「PMOはつまらない」「成長しない」といった意見や、「PMOはコンサルじゃない」と言った意見を目にすることがあります。

果たして本当にそうなのでしょうか??

今回はこういったテーマに対して私見を交えてお話をしてみたいと思います。


結論としては、PMOもコンサルだと考えます。

正確には、コンサルタントは職種、PMOは役割ですから、PMOはコンサルタントが担うことで価値が発揮される役割というのが私の見解です。

そう考えた背景については、次の通りです。


コンサルタントって?

そもそもコンサルとは何者なのでしょうか。

コンサルの期限は1886年にアメリカで創設された世界最古の経営コンサルティングファームであるArthur D. Littleが工場の経営に対して外部から助言や支援を行ったことが起源になっていると言われています。 現在ではコンサルタントが扱うテーマは経営に限らず、会計、人事、ITやDXなど様々な業務領域に対してのコンサルテーションが求められるようになってきました。 しかしコンサルタントの本質であるクライアントで解決できない課題を外部から支援するという点は変わっていない認識です。


PMOって?

PMOとは"Project Management Office"の略で、組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システムを指します。

その中で一般的なPMOの主な役割は以下の通りです。(引用元:PMOとは? - 日本PMO協会|NPMO

 

  1. プロジェクトマネジメント方式の標準化

  2. プロジェクトマネジメントに関する研修など人材開発

  3. プロジェクトマネジメント業務の支援

  4. プロジェクト間のリソースやコストの各種調整

  5. 個別企業に適応したプロジェクト環境の整備

  6. その他付随するプロジェクト関連管理業務


ここに書かれているだけでもPMOの役割は多岐に渡ることがお分かりいただけるかと思います。一部の方には会議の調整や議事録を作成してくれる人に見えているかもしれませんが、それはこれらの役割の中のごく一部にすぎません。


なぜコンサルタントがPMOをやるのか?

それは【プロジェクトマネジメント×課題解決】の両方の役割を担えるのがコンサルタントだからだと私は考えています。 課題が解決しなければ当然プロジェクトは停滞します。

そうならないために、プロジェクトで発生する大小様々な課題を解決しながらプロジェクトの推進をすることがコンサルタントに期待されており、それを実現するためにPMOという役割でお客様に貢献するのだと思います。


目指すべき姿(=よいPMO) 私自身の経験でも、「よいPMO」「機能しているPMO」は次のような動きがでてきるのかと思います。


  • プロジェクト目的・背景を理解し、「なぜこの案件をやるのか/達成すべき価値は何か」を現場も含めて共有している。

  • ただ報告書や進捗チェックを行うだけではなく、課題を構造化して「原因→影響→次のアクション」という流れを整理することができる。

  • 関係者(発注側、ベンダー、現場)を巻き込んで、 合意形成/次フェーズの仕掛けづくり を行える。


このような点からも「進捗を管理するだけ」「報告を回すだけ」ではなく、プロアクティブに動きながら価値実現へ向けた意思決定支援ができるのがよいPMOではないでしょうか。


その一方で、失敗や機能不全に陥る PMO(=悪いPMO) も世の中には多いと聞きます。

とても雑な言い方をしてしまえば、先に述べたよいPMOの裏返しになるわけで、 “悪い PMO”の典型像として、私の実務経験からは次のようなものが目に付きます:


  • 毎週定例で進捗エクセルを回収し、報告書を作るけれども、“その後”が描けていない

  • 現場の業務やベンダ状況を深掘りせず、「提出済・承認済・完了」だけを報告項目にしてしまっている。

  • 見せるための資料作成に時間を割き、実質の意思決定支援・問題解決にリソースが回らない。


発注側とベンダーの間で情報を中継しているだけではPMOとしての価値をほぼほぼ発揮することは難しいと思います。あるべき姿や目的の明確化、課題の抽出と解決策の立案など一歩でも二歩でも踏み込んだプロジェクトへの関わり方ができるとお客様への貢献度が高まり価値提供ができるようになると思います。



まとめ

PMOの役割は、決して「会議運営をする」「進捗を報告する」「議事録を作成する」「スケジュールを調整する」だけではありません。

もしあなたが今、発注者側、ベンダ側いずれであってもPMOという立場でお客様を支援しているのであれば「報告・会議・レビューが次のアクションにつながっているか」「関係者に受容されているか」などを振り返ってみて、もし対応できていないことがあれば、今からでも是非取組みを開始してみてください、そして世の中のPMOの印象をみんなでよくしていきましょう!

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