たこ焼き生地の「だし」は?
- のり
- 1 日前
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今回もたこ焼き関連の話題です。
「たこ焼き屋」の話を持ち掛けてきたおじさん曰く、たこ焼きの要は「だし」であるとのことでしたので、たこ焼きの生地に練り込む「だし」は何がいいのかを調べてみました。
1.「だし」とは?
端的に言いますと、「だし」とは昆布やかつお節などの食材が持つ「うま味」成分を
水に溶出させたものです。
表記は主に「だし」、「出し」、「出汁」ですが、正式名称は「煮出し汁」です。
「だし」文化は日本のもののように思えますが、起源は中国でして、日本では
室町時代後期に初めて「だし」という言葉が文献上に出現します。
1908年に日本人科学者により「うま味(Umami)」が発見・命名されたことにより、
和食の根幹である「だし」の成分が科学的に証明され、その価値が世界的に広く認知
されました。
ただし、「うま味」は「だし」に含まれる主成分・味覚を指し、「だし」そのものでは
ありません。
近年ではフレンチやイタリアン等の西洋料理においても、日本の「だし」が積極的に
使用されています。
2.たこ焼きに最適な「だし」の検討
以下が期待できる、「昆布」と「かつお節」で攻めてみます。
・「うま味」の相乗効果によりコクと深みのある風味を生み出す
・「だし」が前に出過ぎずに小麦粉の生地やたこの味を引き立てる
2.1.前提
・屋台にて8個入り一パック500円を日に60個、一か月20日営業で月に60万円
売り上げるとします。
・原価率を30%、「だし」に使える予算を原材料費の10%とします。金額にすると、
「だし」に使える予算は最大18,000円/月です。
・8個×60パック=480個/日のたこ焼きに必要な昆布「だし」は1.5L、1.5Lの
昆布「だし」に必要な昆布の量は15g、15g×20日=300g/月とします。
・8個×60パック=480個/日のたこ焼きに必要なかつお節「だし」も同上の1.5L、
1.5Lの「だし」に必要なかつお節の量は45g、45g×20日=900g/月とします。
2.2.昆布篇
昆布には等級があり、厚み、幅、長さ、光沢、表面の傷等を評価項目として1等(
最高品質)~4 or 5等に格付けされます。
等級が高いほど肉厚で、より良い「だし」が取れるとされていますが、等級間での
「うま味」成分の溶出量には劇的な差がないという分析結果も出ています。
つまり、最高品質のものでなくても十分に美味しい「だし」が取れるということです。
昆布で「だし」を取る場合の候補を挙げてみます。
種類 | 「だし」の特徴 | 金額/月 | コメント |
北海道 利尻昆布 | 澄んだお吸い物や懐石料理などに向く繊細な「うま味」を持つ | 約2,000円~8,000円(品質・等級・用途で幅あり) | 利尻昆布と羅臼昆布はお値段高めに加えて取り寄せ(さらに送料がかかる)ないと入手困難そうです。日高昆布と真昆布は簡単に入手できそうで、日高昆布は近所のスーパーでも売っていました。 |
北海道 日高昆布 | 「うま味」は控えめだがコクがあり、煮出してもえぐみが出にくい | 約1,500円~3,000円 | |
北海道 羅臼昆布 | 「うま味」が力強くパンチがあり、味の濃い料理・油脂の多い料理と相性が良い | 約3,000円~10,000円(等級・用途による差が非常に大きい) | |
北海道 真昆布 | 関西の粉もの文化でも定番の上品でクセのない「うま味」を持つ | 約3,000円~5,000円 |
2.3.かつお節篇
かつお節にも等級がありますが、昆布のように全国共通の格付けではなく、原料・
製法・仕上がりの組み合わせで評価されるため、詳細は省略し、一部の評価項目のみ
補足します。
かつお節で「だし」を取る場合の候補を挙げてみます。
種類 | 「だし」の特徴 | 金額/月 | コメント |
鹿児島県 枕崎産 本枯節/枯節 | 味噌や醤油の香りとぶつかることなく「うま味」を足す万能型 | 約10,000円~15,000円 | こちらも高級な枕崎産と山川産はほぼ取り寄せのようです。焼津産とブレンド枯節であれば安定して入手できそうです。 |
鹿児島県 山川産 本枯節 | 「うま味」をわかりやすく足すのではなく、料理の味や風味を調整する | 約6,500円~9,000円 | |
静岡県 焼津産 荒節 | しっかり「だし」の効いた味を作ることができる | 約2,500円~4,000円 | |
鹿児島県 ブレンド枯節 | 「うま味」、香り、扱いやすさのバランスが最も良い"標準だし" | 約3,500円~5,000円 |
・かつお節の製法
燻製されるのが前提で、その後どこまでカビ付け熟成を進めたかが評価されます。
カビは腐らせるのではなく、脂を分解し、「うま味」だけを残します。
製法 | カビ付け | 熟成度(等級) |
荒節(あらぶし) | なし | なし(標準) |
枯節(かれぶし) | 1~2回実施し、脂と雑味を整理) | 中(中級) |
本枯節(ほんかれぶし) | 3回以上実施し、不要成分を徹底除去 | 高(高級) |
3.まとめ
結論、現実的な路線としては以下になりますが、「だし」にこだわっていますとは
言い難い(というか言えない)ですね。
昆布 :日高昆布 or 真昆布
かつお節:焼津産 荒節 or 鹿児島県ブレンド枯節
赤字覚悟の期間限定で高級「だし」使用バージョンを販売して様子を見てみるとか、
高級「だし」版と普通「だし」版をHalf and Halfで詰め込んだ食べ比べパックを販売
する等してみると面白いかもしれません。

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