コミュニケーションスキル~論理力④~
- かわうち
- 5 日前
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更新日:5 日前
こんにちは。
ファシリテートGのかわうちです。
前回に引き続き論理的な説明を身に着けるために、というテーマでお伝えします。
前回は「論証=主張に説得力のある理由付け」の概要について説明しました。今回はこの論証について、〇〇〇していきたいと思います。
内容に入る前に、前回最後に提示した以下の問の回答を説明します。
次の文章が論理的につながっているのか、問題点がある場合は何か、考えてみてください。 "Y大学の卒業生はどこの会社に行っても活躍している。だから、Y大学はすばらしい大学だ。"
答.論理的につながっていない
問題の文章を整理すると、
・結論:Y大学はすばらしい大学
・理由:Y大学の卒業生はどこの会社に行っても活躍
となっています。理由に"Y大学の卒業生はどこの会社に行っても活躍"とありますが、活躍している原因は"Y大学がすばらしい(優秀な人材に育成している)"かもしれないですし、"Y大学に入学した時点で既に優秀"な可能性もあります。問題の文章は後者の原因を考慮しておらず、結果として理由と結論の間に飛躍があります。
■演繹と帰納
ここまで、良い論証(=主張に説得力のある理由付け)をするために意識するべきことを説明してきました。
ここでは、論証の具体的な手法である、演繹と帰納について説明していきます。
演繹 演繹とは、「一般論から個別の事例へと進む推論であり、前提が真であれば結論も必ず真となる」という考え方です。イメージを膨らませるために簡単な具体例を見ていきましょう。 ・すべての白鳥は白い。(一般論) ・この鳥は白鳥である。(個別の事例) ・よって、この鳥は白い。(結論) なんとなくイメージが湧きましたでしょうか? 演繹のメリットとしては、「結論の確実性が高い」ことが挙げられます。しかしもうお気づきかもしれませんが、逆に前提が誤っていれば結論が崩れ、また現実には「例外」が多く、一般論だけでは対応できないこともある、というのがデメリットです。
帰納 帰納とは「個別の事例から一般論へと進む推論」です。演繹と同じ事象を用いて具体例を見ていきましょう。 ・この白鳥は白い。(個別の事例①) ・あの白鳥も白い。(個別の事例②) ・よってすべての白鳥は白いのでは?(一般論で進む結論) 帰納のメリットは「観察や経験に基づくので、現場感覚に近い」「柔軟な推論が可能」である点が挙げられます。ただし、「論理の確実性が低さ」や「偏った観察による誤解が発生する」デメリットがあります。(=どれだけ観察しても、「たまたまそうだっただけ」の可能性が残り、また、サンプルが偏っていたり、観察が不十分だと、誤った一般化につながる)
演繹と帰納の比較表
今回は良い論証を行うための手法として演繹と帰納を簡単に説明しました。次回はそれぞれの特徴を踏まえ、どのような時にどちらの手法が適しているのか、より実践的に解説していきたいと思います。
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