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プロジェクト管理ツール使用レポート(JIRA編)

  • みうら
  • 11月28日
  • 読了時間: 9分

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こんにちは。ファシリテートGのみうらです。

前回に引き続き今回も、プロジェクト管理ツールの使用レポートということで、

私が業務で実際に使用しているプロジェクト管理ツールをご紹介させていただきます。

今回は「JIRA」についてのご紹介になりますので、

前回と同様、特徴や強みなど、「Lychee Redmine」と比較してどうかという点を交えてお話できればと思います。


1.製品概要

製品名

JIRA

会社名

Atlassian

料金

0~1,987円(1ユーザあたり) Enterpriseプランはセールスチームに要相談

機能一覧 ※利用可能な機能はプランごとに異なる。

・バックログビュー:プロジェクトの To Do リストのようなもので、今後実行するタスクを追跡するための専用スペース。

・リストビュー:インライン編集を使用して、項目の追加、アップデート、並べ替え、絞り込み、グループ化、ランク付けをすばやく実施することが可能。

・ボードビュー:チームのカスタムワークフローを通して、作業を完了まで追跡可能。担当者、ステータス、期限を一目で確認できる。

・タイムラインビュー:単一のチームやプロジェクト内で作業の計画、進捗の追跡、依存関係のマッピングをきめ細かく行える。

・カレンダービュー:締め切りに間に合うようにスケジュールのタスクを管理でき、カレンダーアイテムの開始日から終了日までの期間も確認可能。

・要約ビュー:ステータスの概要や作業量など、チームの作業の全体的なスナップショットが示される。

・ダッシュボード:Jira製品とプロジェクト全体のデータが一目で分かり、用意されている多数のオプションから選択するか、独自のカスタムダッシュボードを構築可能。

・レポート:リアルタイムのインサイトをすぐに入手し、より迅速に顧客へ価値を提供することが可能。また、アジャイルレポート、ダッシュボードなどを活用して、チームがデータに基づいた意思決定を行える。

・カスタムテンプレート:チーム管理対象プロジェクトと企業管理対象プロジェクトの両方で使用する独自のカスタムJiraプロジェクトテンプレートの作成が可能。

・Atlassian Rovo:Rovo検索、チャット、専門業務に特化したエージェントを利用して、プロジェクト管理やITサービス管理を効率化することが可能。

・自動化:ルールを設定することで、Jira内の作業を自動化することが可能。設定範囲は、単一プロジェクト内、複数のプロジェクト、全体またはサイト上のすべてのプロジェクトに自動化ルールを設定できるため、作業時間の削減につながる。

・ドメインの検証とアカウントのキャプチャ:組織管理者が企業のドメインを利用するすべてのAtlassianアカウントを一元管理することが可能。

・セッション時間の管理:組織管理者がセッションタイムアウト値をデフォルトポリシーの30日とは別の値に設定できるため、管理者はチームメンバーがAtlassian.comで操作せずにサインインしたままでいられる時間を制御可能。

・アトラシアンのコマンドラインインターフェイス:テキストベースのインターフェイスにより、コマンドやスクリプトを利用してアクションを実行でき、Jiraのタスクをより迅速に、より細かく制御し完了することが可能。

・管理者インサイト:セキュリティ、アクセス、アクティビティのレベルなど、使用製品での経時的なデータの使用状況を視覚化して詳細に把握することが可能。

・サンドボックス:本稼働環境に変更を加える前に、製品やアプリの準備、テスト、実験を実施することが可能。サンドボックスを使用すると、新機能がどのようなものかを即座に理解することもできる。

・リリーストラック:仕様変更についてユーザーにリリースするタイミングと方法を、リリーストラックによって制御することが可能。

・プロジェクト・アーカイブ:アクティブでなくなったプロジェクトとそれに関連する作業項目をアーカイブすることが可能。

・製品リクエスト:管理対象ユーザーがいつ、どのようにアトラシアン製品を作成するかを管理者が管理することが可能。

・サイト最適化ツール:作業項目のアーカイブ、カスタムフィールドのクリーンアップ、未使用のプロジェクトロール権限の削除などのアクションにより、Jiraデータのパフォーマンスと状態を監視および改善するために一元化されたハブ。

・パスワードポリシー:アトラシアンのクラウド製品でユーザーが作成するパスワードに関するルールや設定を実施することが可能。

・転送中と保存時の暗号化:Atlassian Cloud製品とサービス内に保存されるすべてのお客様データを、パブリックネットワーク経由の転送中にTLS(トランスポート層セキュリティ)1.2とPFS(完全前方秘匿性)を併用して暗号化し、不正な開示や変更から保護することが可能。

・プロフィールアイコン:担当者をアイコン表示し、ドラッグ&ドロップで割り当て。

・事業継続とディザスタリカバリ:システム障害や災害発生時でもサービスを継続できるように設計されており、高可用性・フェイルオーバー・バックアップ・復旧計画を中心に構成されている。

・MDM(モバイルデバイス管理):iOSとAndroidの両方に対応した、組み込みのMDM(モバイルデバイス管理)機能で、モバイルアプリのセキュリティ対策を強化することが可能。

・監査ログ(サイト):管理者にてサイトに加えられた変更を確認することが可能。

・データレジデンシー:アトラシアンのグローバルクラウドフットプリント内でデータをホストする場所の指定が可能。

・作業項目レベルのセキュリティ:作業項目のセキュリティレベルを作業項目のセキュリティスキーム内で作成し、自分とチームが特定の作業項目を誰が閲覧できるかをコントロールすることが可能。

・IP許可リスト登録:サイトアクセスを信頼できるIP範囲に制限することが可能。

・複数のIdP:単一組織の複数のIDプロバイダーをサポート。

・監査ログ(ユーザーアクティビティ):権限の変更など、Jiraでユーザーが開始したアクティビティの包括的な監査ログの取得が可能。

2. 所感

JIRAはアジャイル開発向けに作成されたプロジェクト管理ツールのため、ウォーターフォール開発の視点で使用していた私にとっては、最初は少々使いづらさを感じました。しかし、汎用性は高い印象があり、さまざまにカスタマイズして利用したい方にはおすすめのツールだと思います。さらに、機能数が多くAI機能も豊富なため、活用することでツール内でできることが大幅に増え、より高いレベルの業務効率化を目指せるのではないかと考えます。

一方で、Lychee Redmineではデフォルトで備わっている仕様でも、JIRAでは自分たちで設定する必要があるため、社内導入を担当する管理者にとっては少し手間に感じる部分もあるかもしれません。

また、機能の数が多く、似たような機能も少なくないため、自分がやりたいことを実現するにはどの機能を使えばよいのか迷ってしまう可能性もあると感じました。

加えて、Lychee Redmineとの違いとして、Lychee Redmineは日本の企業が開発しているのに対し、Jiraの開発元であるAtlassianは海外の企業であるため、表示の一部に英語が混在していたり、関連アプリについてはすべて英語表示のものもあります。そうした点も、我々日本人ユーザーにとっては使いづらさにつながる可能性があると感じました。


3. 強みと弱み

【強み】

① AI機能

JIRAには「AI」や「Rovo」と呼ばれるAI機能が組み込まれており、特定の条件でチケットを検索したり、会議のトランスクリプトを読み込ませて議事録を作成したり、その議事録を基にTODOタスクとなるチケットを生成したりと、AIを活用してさまざまな業務効率化を図ることが可能です。もちろん上記以外にも使い方次第で多様な作業を実行できます。AIが注目されている昨今、この機能はツール利用のきっかけとなり、AI機能の有無によってプロジェクト管理の効率化に大きな差が生じると感じました。


② 他ツールとの関連付け

TeamsやZoom、Slackなどのツールを日常的に業務で使用している方も多いと思いますが、JIRAはそうしたツールの大半と統合して利用することが可能です。例えばTeamsの場合、チャネル内にチケットを含めたタブを作成でき、それを基にチームの進捗を会話で共有できます。JIRA内の機能にとどまらず、利用者や企業のニーズに応じた柔軟な使い方を実現しやすいと考えます。


③ 他のAtlassian製品・プラグインが豊富

JIRAには、ナレッジ管理・コラボレーションツールの「Confluence」などの他製品や、3,000以上の連携可能なプラグイン(アプリ)が豊富に揃っています。標準機能で対応できない場合でも、該当する機能を持つ製品やプラグインを導入することで、他社製品を利用するよりもJIRAとの関連性が高く、使いやすい環境を構築できます。


【弱み】

① JIRA標準機能で賄えない部分

JIRAは機能数が多くできることも幅広いですが、希望する開発方法によっては標準機能だけでは対応できない場合があります。プラグインが豊富であることは強みですが、通常のプロジェクト管理ツールに標準搭載されている機能がJIRAではプラグイン頼みになるケースも少なくありません。プラグインはJIRAとの関連性が高いものの、あくまで別アプリであるため、設定によっては個別対応が必要になり少々手間だと感じるかもしれません。


② 設定の難しさ

JIRAは豊富な機能を備えている分、どの機能を使えばやりたいことを実現できるか判断が難しいことがあります。また、汎用性が高い反面、Lychee Redmineは標準仕様として備わっている細かい機能も、JIRAでは自動化機能などを利用して自分で設定する必要があります。こちらはAI機能を活用して自動化することも可能ですが、複雑な設定はできないこともあり、クエリ言語(JQL)の知識がないとサポートなしでは設定が困難な場合もあります。


④ まとめ

前回と今回で2つのプロジェクト管理ツールをご紹介しましたが、Lychee RedmineとJIRAの2製品を比較するだけでも、自身のプロジェクト管理手法に合わせてツールを選択することの重要性を感じます。個人的には、JIRAはプロジェクト管理ツールとして有名で使用前から知っていましたが、実際に利用するとLychee Redmineの方がとっつきやすい印象でした。また、社内導入を検討する際には、全社展開した場合にその製品が会社の規模に耐えられるかどうかも考慮する必要があるとも感じたため、このようにプロジェクト管理ツールは導入前の下調べを慎重に行うことが重要です。今回ご紹介したLychee Redmine、JIRAともに無料プランが用意されていますので、プロジェクト管理ツールに興味がある方はぜひ両方を試してみることをおすすめします。

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