プロジェクト管理ツール使用レポート(Lychee Redmine編)
- みうら
- 10月3日
- 読了時間: 7分

こんにちは。ファシリテートGのみうらです。
今回と次回の2回に分けて、私が業務で実際に使用しているプロジェクト管理ツールを2つご紹介します。
皆さんはプロジェクト管理ツールを利用されたことはありますか?
プロジェクト管理ツールとは、チーム内のタスクや進捗状況を可視化し、1つのプラットフォームで一元管理できるツールです。これにより、業務の効率化や進捗報告の統一が可能になります。
現在、Excelを使用して、WBS(作業分解構成)や進捗報告書を作成している方も多いのではないでしょうか?しかし、Excelで資料を作成する場合、作成者によって視点や粒度が異なり、資料の統一性が保ちにくいという課題があります。
そこで、チームや社内でルールを定めて同じプロジェクト管理ツールを導入することで、誰が作成しても同じフォーマットで進捗を報告できるようになり、全体の状況を一目で把握することが可能になります。
まず前編となる今回は、「Lychee Redmine」というツールを取り上げ、特徴や強み、実際に使ってみた所感をご紹介させていただきます。
1.製品概要
製品名 | Lychee Redmine |
会社名 | 株式会社 アジャイルウェア |
料金 | 0~2,300円(1ユーザあたり)※プランによる |
機能一覧 | ・ガントチャート:直感的な操作で複雑な計画も可視化し、進捗共有・調整が容易 ・カンバン:タスク進捗をリアルタイムで見える化し、チーム状況を共有 ・バックログ:スクラムのスプリント計画を簡単に作成し、アジャイル開発を推進 ・タスク管理:作業指示を明確に共有し、残タスクや進捗を効率的に管理 ・ダッシュボード:進捗をグラフと一覧で見える化し、リスクを早期に把握 ・タイムマネジメント:作業時間を直感的に入力し、工数を手軽に管理 ・リソースマネジメント:工数や稼働率をグラフで見える化し、リアルタイム分析を実現 ・プロジェクトレポート:進捗やコストを分かりやすく見える化し、複数プロジェクトを横断管理 ・コストマネジメント:工数から費用を自動算出し、予算や収支をリアルタイムで可視化 ・EVM(出来高管理):進捗やコストの将来を予測し、リスクを早期察知 ・CCPM:バッファ管理で遅延リスクを吸収し、納期遵守を支援 ・カスタムフィールド拡張:フィールドを整理・連動させ、柔軟な設定が可能 ・チケット関連図:チケットの親子・依存関係を可視化し、計画の抜け漏れを防止 ・SAML認証:ID管理を一元化し、シングルサインオンで安全にログイン ・チケットセット:複数チケットをテンプレート化し、一括生成で抜け漏れ防止 ・グループ:部署やチーム単位で階層化し、ユーザー管理を整理 ・プロジェクトビュー:よく使うプロジェクトや機能に素早くアクセス可能 ・バージョンスタートデイト:バージョン開始日を手動設定し、計画を安定管理 ・イージーアサイン:担当者をグループ表示し、素早く割り当て可能 ・会社休日設定:独自の休日を設定し、正確なスケジュールを反映 ・チケットスプレッドシート:一覧から直接編集し、大量のチケット変更を効率化 ・ステータスカラー:ステータスを色分けし、チケット状況を一目で把握 ・プロフィールアイコン:担当者をアイコン表示し、ドラッグ&ドロップで割り当て ・メッセージボックス:新機能やリリース情報を見逃さず確認可能 ・プロジェクトテンプレート:過去プロジェクトをテンプレート化し、簡単に新規作成 ・チェックリスト:作業をチェックリスト化し、抜け漏れを防止 |
2. 所感
プロジェクトの配下にチームごとにサブプロジェクトの作成や、マイルストーンの設定、マスタースケジュールの表示、使い方によっては工程の登録なども可能であるため、ウォーターフォール型開発で利用するには、全体・部分的に分けて管理ができ、使いやすい印象を受けました。
メニュー名については、ほとんどが日本語であり、プロジェクトの情報管理、タスク作成、進捗管理、進捗報告をすべて一つの製品で管理することができるため、複雑な仕様や設定に迷うことなく、比較的スムーズに利用方法の習得ができると考えます。
また、カンバン機能では、担当者間でタスクをドラッグ&ドロップすることで簡単に移動できるなど、細かな使い勝手の良さも魅力です。
一方で、「ザ・日本人向け」といえる製品であるため、昨今のグローバル化が進む中、海外プロジェクトにおいては、やや使いにくさを感じる場面もあるのではないかと感じました。
3. 強みと弱み
【強み】
① ガントチャート機能
チケット名やステータスといった項目とあわせて、ガントバーで進捗状況がひと目で確認でき、イナズマ線や進捗バーなどの表示もシンプルで分かりやすく、全体の把握が非常にしやすい。
また、チケットの前後関係を設定することが可能で、先行チケットのステータスが完了になると、後続のチケットの担当者に通知が行くようにすることも可能なため、作業漏れ防止にもつながる。
その他、ガントチャート上でチケットをドラックでの移動が可能だったり、チケットの一括編集(入力、削除)が優れていたりと操作性の高さも魅力的である。
② カスタムクエリ機能
チケット一覧画面とガントチャートで共通のフィルターを利用することが可能で、
クエリの設定時も複雑な設定や計算式などは必要なく、一般的なフィルタ設定の画面でチェックボックスや簡単な入力だけで済むため、初めて使う人でも直感的に扱いやすい印象。
カスタマイズ性は高くないものの、シンプルでわかりやすい点がメリットだと考える。
③ プロジェクトレポート
レポート作成日を設定することで、毎週決まった曜日に静止点でのレポートを自動生成することが可能で、過去のレポートについても一覧で確認でき、進捗の振り返りに便利である。
また、特定のチケット単位での集計も自動で行われ、総数・完了数・遅延数などを、特に自身で計算式や難しい設定をしなくとも表示できるため、ユーザ目線はもちろんのこと社内全体で利用する際の管理者目線で考えた際も、非常に効率的である。
レポートの編集についても、情報を別画面から持ってきたりなどの操作はほとんど必要なく、パネルの追加や指標の設定がすべてレポート画面で可能なため、使いやすい印象。
【弱み】
・テスト管理機能
Lychee Redmineには、テスト管理機能が搭載されていないため、テストケースやテスト結果を管理する場合は、別のツールを併用する必要がある。
・AI活用
今後の機能追加としてAIの活用は予定されているようだが、現時点ではAI活用は実装されていない。ツールによってはAIを利用したタスク作成や検索、操作の自動化などが可能なものもあるため、AI活用が進んでいる中では、少し物足りなさを感じる。
ツール自体はシンプルで使いやすい一方で、「操作の未来性」や「拡張性」という点で
他製品と比較した際に、やや不利になる印象。
4.まとめ
以上、今回は「Lychee Redmine」の紹介をさせていただきました。
運営会社が国内であることもあり、表示メニューや機能などが日本人目線で作成されているため、プロジェクト管理ツールの中でもとっつきやすいのではないのでしょうか。
もし利用する場合、開発方法でいうとウォーターフォール開発に向いている印象を受けました。
ただ、AI活用については拡大性がなく、テスト管理ツールについては別製品との併用が必要なため、最終的に求めるプロジェクト管理像によってツール利用を判断する必要があると思われます。
もし、ご自身やプロジェクトの使用条件に合うようでしたら是非活用いただければと思います。
次回は、私が使用しているもう1つのプロジェクト管理ツールである「JIRA」について取り上げる予定です。
今回取り上げた「Lychee Redmine」との違いについても、お話できればと思いますので、
是非そちらもご覧ください。
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