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コミュニケーションスキル~論理力⑥~

  • 執筆者の写真: かわうち
    かわうち
  • 10月10日
  • 読了時間: 2分

こんにちは。ファシリテートGのかわうちです。

前回は、

演繹:一般論から個別の事例へと進む推論

帰納:個別の事例から一般論へと進む推論

という定義の基に、実は皆さんも演繹と帰納を日常生活の中で使っているということと、その具体例について説明しました。

まずは前回最後に出題した問題の答え合わせです。

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問:以下の場面は演繹と帰納のどちらに該当するか。


  1. 新商品に対する消費者反応を調べ、傾向を推測する

  2. 契約条項に基づき、特定の事案でどう判断するか決める

  3. 物理法則や数学的定理を用いて現象を説明・予測する

  4. 過去事例をもとに戦略を立てる

(答)

  1. 帰納

  2. 演繹

  3. 演繹

  4. 帰納

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いかがでしたか?

演繹と帰納がどういったものか、基本的な考え方は理解できてきたのではないでしょうか。


さて今回からは応用に進んでいきたいと思いますが、まずは前回までの基本的な考え方を意識しながら次の例題について考えてみてください。

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問:次の(1)と同じ意味の文になるのは(a)-(c)のどれか


 (1)月曜が祝日の場合、翌日の火曜が休館になる


 (a)火曜が休館ならば、前日の月曜は祝日だ

 (b)月曜が祝日でないならば、翌日の火曜は休館ではない

 (c)火曜に休館でないならば、前日の月曜は祝日ではない

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パッと見るとどれも正しいように思えますが、実際はどうでしょう。

まずは各文の内容を矢印で表して見やすくしてみます。


 (1)月曜が祝日 → 火曜は休館

 (a)火曜が休館 → 月曜は祝日

 (b)月曜は祝日ではない → 火曜は休館ではない

 (c)火曜は休館ではない → 月曜は祝日ではない


(1)に対する(a)の関係を「逆」と言いますが、同じ意味になっているでしょうか。

結論から言うと同じ意味にはなっていません。例えば、ある火曜日が休館だったとしても、それは火曜日が創立記念日だったためで、月曜日が祝日だったためではないかもしれません。この例を踏まえると(b)も(1)と同じ意味にはなっていません。

この問題の答えは(c)です。


(1)、(a)、(b)、(c)の内容を抽象化し、(1)との関係を整理すると、以下のように表現できます。


 (1):A → B (条件文)

 (a):B → A (逆)

 (b):Aでない → Bでない (裏)

 (c):Bでない → Aでない (対偶)


今回覚えてほしいポイントは、条件文と同じ意味になるのは対偶であるということです。


最後に条件文を2つ出しますので、それぞれの文の「逆」「裏」「対偶」の文章が考えてみてください。


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(例1)

顧客満足度が高ければ、リピート率が上がる。


(例2)

もし市場調査が十分に行われ、マーケティング戦略が一貫していれば、新商品の販売は成功する。

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