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コミュニケーションスキル~論理力⑤~

  • 執筆者の写真: かわうち
    かわうち
  • 8月25日
  • 読了時間: 3分

こんにちは。ファシリテートGのかわうちです。

前回は良い論証を行うための手法として演繹と帰納を簡単に説明しましたが、今回はそれぞれの特徴を踏まえ、これらの手法がどのように用いられるのかお伝えしたいと思います。


まずは演繹と帰納の定義のおさらいです。

  • 演繹:一般論から個別の事例へと進む推論

  • 帰納:個別の事例から一般論へと進む推論


もう少し簡易な表現に置き換えてみます。

  • 演繹:一般論から個別の事例へと進む推論  →既に確立したルールや事実から行動を決める

  • 帰納:個別の事例から一般論へと進む推論  →経験や観察からパターンを見つける

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は私たちは日常生活の中で演繹と帰納を用いています。イメージをより膨らませるために1日の流れの中での使用例をまとめました。

(6:30 起床)

帰納:「目覚ましを3回スヌーズすると大体遅刻しかける」(過去の経験からの推測)

演繹:「今日は3回スヌーズした → 遅刻しかけるはず」

→ いつもより慌てて準備開始。


(8:10 通勤)

帰納:「平日8時台の電車は混んでいる」(観察からのパターン)

演繹:「今日は平日で8時台 → 混んでいるはず」

→ 吊革近くに移動して防御態勢。


(12:30 昼休み)

帰納:「このお店のカレーはいつも辛い」(何度も食べての学習)

演繹:「今日もこの店でカレー → 辛いはず」

→ 水を先に用意。ラッシーも追加。


(15:00 勤務中)

帰納:「上司は午後コーヒーを飲んでいるときは機嫌がいい」(経験則)

演繹:「今、上司はコーヒーを飲んでいる → 話しかけるなら今」

→ 重要な提案をする。


(21:00 自宅)

帰納:「夜9時以降にコーヒーを飲むと寝つきが悪くなる」(自己観察)

演繹:「今コーヒーを飲むと寝つきが悪くなる」

→ ハーブティーに変更。

いかがでしょう?

初めは取っつきづらかった演繹と帰納という言葉がだいぶ身近なものになってきたのではないでしょうか。 ただこれだけでは「演繹と帰納がどういう手法かはわかったけど、これが論理力にどう繋がるのかわからない」という方がほとんどだと思います。演繹と帰納を用いて論理的な考え方をするには、まずは各手法についてしっかり理解する必要があるため、今回は演繹と帰納の理解を深めてもらいました。


最後に演繹と帰納の理解度の確認問題を出しますので、次回はその答え合わせと演繹と帰納をどのように論理力に繋げるか、をお伝えしようと思います。

問:以下の場面は演繹と帰納のどちらに該当するか。


  1. 新商品に対する消費者反応を調べ、傾向を推測する

  2. 契約条項に基づき、特定の事案でどう判断するか決める

  3. 物理法則や数学的定理を用いて現象を説明・予測する

  4. 過去事例をもとに戦略を立てる

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