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思考法(その5:デザインシンキング)

  • のり
  • 10月27日
  • 読了時間: 3分

今回の話題は、日常の課題解決にも役立つ思考法として注目されているデザインシンキング

の概要についてです。


1.デザインシンキングとは?

  Appleの初期マッキントッシュマウスをデザインし、iPodの商品開発にも深く関わった

  アメリカのコンサルティング会社であるIDEO(アイディオ)社によって提唱された

  考え方の道筋です。

  顧客の状況や感情に寄り添い、顧客自身も気付いていない潜在的なニーズや課題を

  掘り起こして革新的なソリューションを生み出すことを目的としており、

  VUCA時代※を迎えた予測困難な現代のビジネスシーンに必要とされるスキルの一つ

  です。


※ VUCA時代:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、

  Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、本質をつかんで将来を予測することが

  難しい状況を表現する言葉です。


2.デザインシンキングのプロセス

  「デザインシンキング」という言葉だけを聞くと、そういうことができるのは

  クリエイティブなデザイナーや芸術家だけでは?という印象を持たれる方も

  いらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。

  創造力は誰にでもあり、その力を引き出すきっかけがなかったり、方法がわからない

  だけであるという考えに基づいたメソッドです。

  「デザインシンキング」は以下のプロセスから構成されます。

No.

プロセス

プロセスの目的

実施内容

共感

表面化されたニーズや問題点ではなく、潜在的なニーズや問題点を発見する。

ニーズや問題点を抱えているとされる対象へのインタビュー・アンケートなどを実施することもありますが、一番重要なのは観察です。その対象(以降、ユーザーと称します)の行動を観察することで、潜在的なニーズや問題点を見つけ出します。

問題定義

ユーザーの潜在的なニーズや問題点の本質を明確化する。

「No. 1:共感」プロセスで得た情報を整理し、ニーズや問題点の根本原因を明確化します。

アイディア出し

質よりも量に重点を置き、ソリューションのアイディアを出す。

ブレインストーミング、マインドマップ等の手法を使って、自由にアイディアを出します。

プロトタイピング

アイディアを具体的な形にして試作する。

絵のスケッチ、模型、デジタルモックアップ等、簡易な形でアイディアを具現化します。

テスト

プロトタイプを実際に運用してフィードバックを得る。

ユーザーによるテスト、インタビュー・アンケートや行動観察によって改善点を見つけ出します。


3.デザインシンキングを身近にするヒント

  例として、朝学校に行くまでの準備が遅い小学校低学年の児童がいるとします。

  「どうすれば速やかに朝の準備ができるか」をデザインシンキングで考えて

  みましょう。

No.

プロセス

実施内容

共感

子供にヒアリング:「なぜ準備が遅れるのか?」 子供の様子を観察:「どの行動に時間がかかっているのか?」

問題定義

「子どもが何をすべきか分かっていない」、「順番が分かりづらい」等が考えられる。

アイディア出し

・朝の準備チェックリストを作るのはどうか?

・イラスト付きのタイムスケジュールを作るのはどうか?

・準備をゲーム化するのはどうか?

プロトタイピング

・目につく場所に準備ステップのポスターを貼る。 ・チェックリストカードを実際に使ってもらう。

テスト

1週間使ってみて、準備時間が短縮されたかを確認する。

  新製品や新サービスを生み出すとなると大掛かりでとっつきにくいですが、

  デザインシンキングはこのような日常の課題にも適用することができます。

  他にも、スマホを見ながら歩く人をどうしたらいなくすることができるか、電車の混雑

  をどうすれば緩和できるか等、身近な話題についてデザインシンキングで解決策を

  考えてみるのも面白いと思います。



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