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思考法(その7:ビジュアルシンキング(グラフィックレコーディング))

のり
8月31日
読了時間: 5分

今回は、ビジュアルシンキングとその手法の一つであるグラフィックレコーディングについて調べてみました。


1.「ビジュアルシンキング」とは?

  文字や文章だけでなく、絵や図などのより視覚的に訴える要素も併用して考え、情報を

  まとめる思考法です。身近なところで言うと、プレゼンテーション資料に絵や図など

  を使用することもビジュアルシンキングの一部です。

  以下のようなメリットがあります。

   ・全体像や複雑な関係性の把握が容易になる

   ・共通認識を形成しやすくなり、誤解の可能性を減らせる

   ・言語化されていないアイデアが刺激されることで、より新しい発想が生まれる

  ただし、いいところばかりではありません。以下のようなデメリットがあります。

   ・関係性を整理しつつレイアウトを考えて絵や図を描く必要があり、慣れて

    いないと時間がかかる

   ・情報量の増加と共に絵や図の要素が増えるため、煩雑になる

   ・絵や図の構成要素が、見る人によって直観的に誤解される恐れがある

    (メリットと矛盾していますね)

   ・正確な根拠・条件・数値などを表現するのには適さない場合がある

  以上から、ビジュアルシンキングは万能ツールではなく、その使いどころ(状況と

  目的)の判断が極めて重要であることがわかります。


2.「グラフィックレコーディング」とは?

  通常「グラレコ」と呼ばれ、会議、講演、ワークショップなどの内容をリアルタイム

  で絵や図を使って見える化する、ビジュアルシンキングの手法の一つです。

  文字や文章だけだったものを絵や図も使ってまとめるだけと言えばそれまでですが、

  グラフィックレコーディングをうまく行うためには、いくつかのコツがあります。

フェーズ

コツ

準備編

話の目的・結論を意識する

話の種類によって、左から右、上から下、中央から広げる等の絵や図の展開方法をイメージする

リスニング編

一言一句を追わず、キーワードのみをピックアップする

因果、対立、並列などの「関係性」に着目する

ドローイング編

図や絵よりもキーワードのピックアップを優先する(結局、絵や図よりも文字や文章のほうが重要だとは…)

凝った図にせず、丸・三角・四角・矢印などの組み合わせを使用する

色は使っても3~4色程度に留める

  話の内容を絵や図にまとめる才能のある人以外は、コツを知らないでグラフィック

  レコーディングに挑むとかなりの確率で痛い目に遭いそうです。


3.グラレコの使いどころは?

  例えば、標準的なITシステム構築のどの工程ならグラレコが役立ちそうかを考えて

  みました。

工程

考察

要件定義

-検討会・レビュー会

 システムの全体像や業務内容の表現はグラレコ

 が非常に役立ちます。逆に文字や文章だけで表現する

 のが難しそうです。

-進捗会

 関係者間の共通認識の形成には使えそうである

 ものの、誰がこういう状態なので、こういう

 アクションを取るということを記録するのであれば、

 文字や文章で淡々と表現する方が早そうです。

基本設計

-検討会・レビュー会

 要件定義の下書きレベルの絵や図をシステム構成図

 や業務フローに清書する感覚です。ここでもグラレコ

 は非常に役立ちます。

-進捗会

 要件定義に同じです。

詳細設計

-検討会・レビュー会

 パラメーターなどの情報の一覧化を目的として表が

 使えます。

-進捗会

 要件定義に同じです。

プログラム設計/コーディング

-検討会・レビュー会

 プログラムのフローチャートも可視化手法の一つとい

 うことで、グラレコの一種との認識でしたが、厳密な

 ルールの可視化は会議でのレコーディングとは異なる

 ようで、グラレコの仲間ではないようです。

-進捗会

 要件定義に同じです。

単体テスト

テスト工程の検討会・レビュー会や進捗会の内容をあえて絵や図で表現しようとするのは、できないことはないと思いますが、かなりのチャレンジです。

結合テスト

システムテスト

運用テスト

受入テスト

移行テスト

  やはり、使いどころとしてはイメージを皆で共有する必要がある、要件定義~詳細設計

  といったところでしょうか。


4.所感

  きっと、皆さん意識せずにグラレコを使っていると思います。

  ITシステム構築で言えば、システム構成やネットワーク構成などを文字と文章だけで

  表現するというのは苦行です。

  ただ、そもそも会議中に一からシステム構成やネットワーク構成などを絵や図にして

  いくことも滅多にないと思います(普通ならドラフトをしてからレビューへ臨む

  ので)。

  また、グラレコは紙やホワイトボードへ直接描いたものを皆で共有することを前提

  としているため、オンライン会議の場合は、ミーティングツールのホワイトボード機能

  や外部のホワイトボードアプリの準備が必要です。さらに、指やマウスで絵や図を描く

  のはなかなか難しいため、タッチペンもあったほうがいいかもしれません。

  総じて、ひと昔前までは有効な手法だったのかもしれませんが、このご時世で厳密に

  実践しようとすると少し敷居が高いものだと感じました。


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