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AI導入のROIを最大化する経営戦略|「効率化」の次は「再投資力」

  • 執筆者の写真: なゆ
    なゆ
  • 31 分前
  • 読了時間: 3分

アーキテクトGの「なゆ」です。


AIの導入や役割分担など導入に関するお話をしてきましたが、今回はマネジメント層向けのお話をしたいと思います。


昨今、生成AIや自動化ツールの導入が進む中で、多くの企業が「業務効率化」を実現し始めています。しかし、導入から数年が経過した企業の中には、ROI(投資対効果)の伸び悩みを感じているところも少なくありません。

主な原因としては、AIによって生まれた「余剰時間」や「削減コスト」を次の価値創出に再投資できていないことです。

AI導入の本当の目的は効率化ではなく、効率化によって生まれた「余剰時間」や「削減コスト」を企業の中に生み出し、価値を高めることにあります。

そのため、今回はAI時代の経営に必要な“持続的ROIモデル”の構築についてお届けします。


AI導入でのROIが減衰していく理由


AIを導入した当初は工数削減やコスト低減の効果が見受けられるようになりますが、次第に効果は横ばいになります。

これはAI導入によって一定の削減を行った後に余剰リソースを活用できていない場合にその効果が薄れた結果、ROIの頭打ちになる現象が発生します。


企業タイプ

AI導入の目的

ROIの傾向

①単発導入型

作業効率化・コスト削減のみ

初年度のみ高いが継続性なし

②再投資型

AI導入を組織設計・財務計画・人材育成の中核として経営戦略に組み込む

年次ごとにROIが拡大


上記のようにAI導入を新規事業や規模拡大などに余剰リソースを割り当てる計画を立てることで、ROIを持続的に高めていくことが可能となります。


AI導入で持続的にROIを高めていくための要素


AI導入で持続的にROIを高めていくためには、3つの要素があります。

再投資力の要素

内容

代表的な効果

①データ再投資力

AIで得た知見を他部門の意思決定や製品開発に活用

顧客理解の深化、新規事業の立案

②人材再投資力

AIによって生まれた時間を教育や創造的業務へ再配分

スキルアップ、生産性向上

③資金再投資力

削減コストを新たなAI・DX投資に再投入

持続的な技術革新

上記の3要素のように再投資を回す仕組みを構成することで、AIは単なる業務効率化ツールではなく、業務効率化により利益を生み出すツールとして機能します。


持続的ROIを生むマネジメント設計の要諦


AIを導入する際、経営層が押さえておくべきポイントは3つです。


  • AIを活用する文化の醸成

    • 現場が自発的にAIを活用・改良する文化を醸成して、より活用できる文化の醸成

  • 再投資前提のAI導入

    • 削減したリソースの再配分先(人材・技術・新規事業など)を事前に設計

  • 評価軸を短期評価と中長期評価分ける

    • 短期評価としてはAI導入による生産性やコスト削減効果、中長期評価は再投資後の成長・効果を評価するために利用


おわりに


AI導入の本当の価値は、効率化そのものではなく「再投資の連鎖を生む力」にあります。

今後の経営判断においては、

「AIをどれだけ導入したか」ではなく、「AIが生み出した価値をどこまで循環させたか」

が問われる時代です。


AIを単なるツールではなく、“企業成長を生み出す資産”として設計できるか。

それが次の経営格差を決める分岐点になると考えます。


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