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PMの仕事は「管理」なのか?-顧客・PL・スタッフへの向き合い方

  • おばっち
  • 6月10日
  • 読了時間: 6分

こんにちは。おばっちです。

僕がITコンサルとしてお仕事をさせていただいて、はや半年経ちました。現在はPMをやらせていただいているのですが、PMという役割を担うようになって、意識が「まとめ」に強く寄るようになった気がしました。


PMになると、「整理する」が仕事になってくる気がする

お客様へのご提案をまとめる。状況をまとめる。現状をまとめて課題を洗い出す。リスクを早期に検知してまとめてPLにご報告する。

気が付くと、「情報を集めて、整理して、出力する」という動きが、自分の仕事の殆どを占めているような気になってきます。

本質的に、それを求められる役回りではありますが、その意識が強くなりすぎると、いつの間にか周囲が「情報の発生源」に見え始めてしまう。そんなふうになりはしないか、とヒヤリとしました。

というのをこの記事を書いていて、思い至った次第です。



PMが向き合う「三方」

少し整理してみると、PMが関わる方は大きく三方向にいらっしゃいます。

顧客(ご相談・ご発注いただいている企業様、とそのご担当者様)

PL(クライアント企業様でPJを取り仕切る上位レイヤの方々)

スタッフ(プロパー社員様、業務委託、派遣等PJに参加されている方々)。

このお三方は、それぞれまったく異なる立場で、異なる重さを抱えながらPJに向き合っています。

顧客は、本当に自分たちの課題を解決してくれるのか?とご不安を抱えながら接していただいていることでしょう。

PLの方々は、同時に複数のPJを平行稼働させており、個々の案件に充分関与できていないもどかしさをお持ちでしょう。

スタッフの皆さんは、目の前のタスクに集中しつつも、忙しすぎてミスが増えたり、相談もできず抱え込まれていることも。

PMはこの三方の皆様全員と、日々向き合いつつお仕事させていただいているわけです。

その立場の人間が、「整理する」ことばかりに意識を向けていていいんでしょうか?

お一人お一人の「状態」を見るべきなのではないでしょうか?



「吾理天下、亦欲以柔道行之」

ここで、後漢(西暦25~220年)の初代皇帝、光武帝・劉秀の話を少しさせてください。

この方は、一度滅亡した漢を再興した、中国史見渡してみても一人しかいない偉業を達成された方です。

劉秀ご自身は、漢の正当な皇族の血筋でありつつ、若いころは庶民の暮らしをしていたようでして、皇帝即位後に故郷に帰った際、ご近所のおばちゃんたちに「若いころはただ生真面目で温和なだけだったのにねぇ」とからかわれると、笑いながら

「吾理天下、亦欲以柔道行之」 ※私は天下を治めてはいますが、柔の道(人の心)に沿って行きたいものです。

と返したそうです。

天下を取っても、「柔」を選ぶ。立場が変わっても、自分を上に置かない。

ここに僕は学びを見ました。



三方それぞれへの、無私の向き合い方

この「柔の道」をPMのお仕事に当ててみると、三方それぞれに具体的な形があるのではないかと思います。

【スタッフさん】タスクの向こう側にある「状態」を見ることだと思っています。今日はスタンプ押すの遅いな、ちょっとミスしがちだな、昨晩とんでもない時間に連絡してたな。

こういう「データになっていないシグナル」を拾って、素直なお声がけをさせていただく。今日はご体調いかがですか、何か手伝いましょうか、心配してます、など。

タスクが集中しているようであれば、すぐ再割り振りを検討したり、できる範囲でフォローをする。

分からない事は分からないと正直に速やかに言い、余計な仕事を増やさない。感謝をきちんと言葉にする。「お願いする」ではなく「頼る」心で接すると、空気が変わるのかなと。


【PLさん】常態的に過重労働のため、「負担を減らす事」を先回りして意識したいです。

なので、進行イメージを最初にきちんとすり合わせる。納期の半分の時間で、5割できたものでいいから見せる。報告の方法、粒度、頻度を状況やスタイルに合わせて調整する。判断に必要な情報を整理し、選択肢レベルまで絞る。など。

この方は偉い人だ、とかPLだから、とかそういうのは置いておいて、人としてどう接したいのか?に沿って接していきたいものです。


【顧客】「言われたことをやる」だけでなく、その背後にある「本当は何をされたいんだっけ」を捉える事が重要と考えています。

まあお客様がこう仰るのでこれで、というスタンスではなく、ご依頼にはやはり、法人としてのお困りごとがあり、それを解決されたい、という思いがあるはずです。

それを捉えて、適切な情報を能動的に出していく。気づいたリスクはそっと共有する。斜に構えずに、素直にやり取りできる関係を築くことも、長期的な信頼につながるのかなと思います。



「人を見る」「自分を下に置く」という、PMとしての在り方

三方に共通してあるのが、「相手は人である」と、「自分を下に置く」という心構えだと思います。

媚びる、とかいうことではなく、相手も自分と同じように人なんだな、人生があるし、プライベートもあるし、色んな仕事も抱えているし、と思いを寄せる。

そして相手の状態をきちんと見て、やるべきことをやる。素直に接する。個人対個人として誠意を尽くす。

それを「PMとして」ではなく「人として」という温度でできるか。



「赤心を推して人の腹中に置く」

劉秀が、降伏した数十万の農民反乱軍の前に現れた時のエピソードを一つ。

反乱軍の皆さんは、まあ降伏したばかりなので、自分ら全員埋められるんじゃないか(その頃はよくあった)、とか不安や錯乱の中にいたはずでしょう。

が、劉秀は鎧も武器も身に着けずに現れたそうです。

降伏した反乱軍の皆さんは、こう語り合ったそうです。「蕭王(劉秀の称号)は赤心を推して人の腹中に置く人だ」 ※真心で接してくれる人だ

役割の鎧を外して、人として接する瞬間を持てるかどうか。それがチームと顧客との信頼を、長期的に決定づけていくと感じています。



「天地之性、人為貴」

人であることが、最も尊い。

これも劉秀の言葉で、皇帝に即位したときの詔に書いてあった言葉だそうです。

AI全盛、なるべくAIを活用せよ、業務を変革せよ、という昨今、この言葉の重みはより増していると思います。

ツールが進化しようが、人を動かすのは人です。顧客、PL、スタッフ。皆さん「いち個人」として、それぞれの事情を抱えながらPJに向き合っておられる。

プロジェクトをマネジメントするのは、人の心。整理するのは、関わり方。その積み重ねが、長く走れるチームと、長く続く信頼を作っていくのかなぁと、僕は現場で感じています。


POSTもこれで3回目です、今回も張り切って書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。

長々と失礼いたしました。お読みいただき、本当にありがとうございました。


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