コミュニケーションスキル~論理力⑦~
- かわうち

- 16 分前
- 読了時間: 3分
こんにちは。ファシリテートGのかわうちです。 前回は、論証の間違いやすいパターンとして条件文に対して「逆」や「裏」の文章は同じ意味にはならず、「対偶」のみが同じ意味になることについて説明しました。(下表参照) (条件文)A → B
逆 | B → A | 条件文とは違う意味 |
裏 | Aではない → Bではない | 条件文とは違う意味 |
対偶 | Bではない → Aではない | 条件文と同じ意味 |
では、逆、裏、待遇の理解を深めるために前回出した問題を考えていきましょう。 問:次の例文の「逆」「裏」「対偶」の文章が考えてみてください。
(例1)
顧客満足度が高ければ、リピート率が上がる。
逆 | リピート率が上がれば、顧客満足度は高い |
裏 | 顧客満足度が低ければ、リピート率は低くなる |
対偶 | リピート率が低ければ、顧客満足度は低い |
(例2)
もし市場調査が十分に行われ、マーケティング戦略が一貫していれば、新商品の販売は成功する。
逆 | 新商品の販売が成功していれば、市場調査が十分に行われ、マーケティング戦略が一貫している。 |
裏 | 市場調査が十分に行われず、マーケティング戦略が一貫していなければ、新商品の販売は失敗する。 |
対偶 | 新商品の販売に失敗する場合、市場調査が不足しており、マーケティング戦略が一貫していない。 |
隠れた前提 続いて、論理的に説明する(=論証する)上で、現実的には省略されることが多いが、論証を完成させるために必要な隠れた前提にお伝えしていきます。 数学の証明のような場合はともかく、日常的な会話で結論に必要な前提をすべて列挙するのは冗長でむしろ伝わりにくくなる可能性がありますが、論証を判断する上ではとても重要になります。まずは隠れた前提とは何か以下の文を例に見ていきましょう。 (例1)
吠える犬は弱虫である。うちのモカはよく吠える。だからうちのモカは弱虫だ。 (例2) 「ヒカルとの碁の勝負は勝てた?」 「いや、勝てなかった」
「負けたのか。だらしないな」 (例3)
テングダケは毒キノコだ。なので、食べられない。
上記例文の隠れた前提は以下の通りです。
(例1)うちのモカは犬である →モカは猫である可能があり、その場合、この論証は成り立たない。 (例2)碁は勝つか負けるかのどちらかである。 →実際には碁には引き分けがあるので、この論証は成り立たない。 (例3)毒キノコは食べられない →実際にはテングダケは適切な処置をすれば危険は残るものの食べることができ、かつ美味とのことです。
個人的には例1と例2は隠れた前提に気が付くことができましたが、例3はわかりませんでした。 このように論証の中には隠れた前提が存在することがあり、その前提の正しさが論証の判断に繋がる場合があります。 では、今回も隠れた前提に関する問題を出して終わろうと思います。
■問:次の文章には隠れた前提が2つあるので見つけてください。
日本の自動販売機は商品を美しく見えるため特殊樹脂でできたカバーで覆われいる。しかしこの樹脂が自動販売機にそのまま使われているのは日本だけで、外国では使えないという。 この特殊樹脂はきれいだが、ハンマーで打ち壊せば簡単に砕けてしまうからである。



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